マイクロファイナンスとは
マイクロファイナンスとは主に発展途上国で見られる小口金融の総称で、低所得者や農家を中心とした顧客向けの金融サービスです。従来の銀行のサービスを受けることができなかった貧しい人々を対象に融資をし、経済的自立を図るものとして、1970年代に始まったとされています。
牛やニワトリといった家畜、肥料や農機具、あるいは裁縫するためのミシンなどを購入する際の資金の融資で、一件あたりのローンは数万円から数十万円程度がよく見られます。
発展途上国を中心に、小口融資を専門に扱うマイクロファイナンス機関は全世界で約1万あると言われ、Microfinance Barometerによると、貸出残高は世界全体で10兆円程度 と言われます。バングラデシュのグラミン銀行というマイクロファイナンス機関の創設者ムハマド・ユヌス氏が2006年にノーベル平和賞を受賞し、一気に有名になりました。
出典:Microfinance Barometer 2017より
本ファンドの貸付先であるカンボジアにおいても、マイクロファイナンスは重要な役割を果たしています。アジア開発銀行によると同国は過去5年のGDP成長率7%と急速な経済成長をしており、 貧困率も8年間で半減することができました。しかし2011年の世界銀行のデータでは貧困層、あるいは貧困ラインから抜け出したばかりの層がいまだに1千万人以上いるとされています。マイクロファイナンス機関はこのような人々に融資をし、生活改善を図る役割をしています。
カンボジア経済の大きな特徴として、ドル化経済が挙げられます。リエルという現地通貨を発行しているものの、1990年代の内戦後から、日常生活、ビジネスのシーンで米ドルによる決済が大部分を占め、8割を超えていると言われています。リエルはお釣りや1ドル以下の支払いに使われ、補助通貨に近い役割となっています。
2016年末現在、同国には合計71のマイクロファイナンス機関があり、カンボジア中央銀行(National Bank of Cambodia、以下NBC)が管理、監督をしています。うち約10機関は日系資本が入っており、日本からの投資も積極的に行われています。直近では2016年に三菱東京UFJ銀行が、タイにある連結小会社のアユタヤ銀行を通じて、最大手の一角であるHKL社(Hattha Kaksekar Limited)の買収をしました。
業界全体の 一件あたりのローンサイズは数百ドルから数万ドルと機関によって大きくことなりますが、 中間値は約1,700米ドルで、内訳は農家が33%、小売が19%、その他サービス、建設と続きます。
NBCの2016年の年次レポートによると、同国マイクロファイナンス業界は直近5年の平均不良債権率は1%以下というのも大きな特徴です。不動産担保融資で、かつ不動産価値の5割を借入限度額とするのが主流で、このような低い数字を保つことができています。不動産はカンボジアの国土管理都市計画建設省(Ministry of Land Management, Urban Planning and Construction)が管轄し、不動産に関する権利書の発行・管理をしています。
また2017年4月1日より、NBCが省令B7-017-109PK号で貸出利息の上限を年利18%と定め、借り手の保護を促進しています。ネクストシフトファンドは法令を遵守しているマイクロファイナンス機関へ貸付します。
マイクロファイナンス投資の魅力
当ファンドでは、中小企業や農家に融資を行うマイクロファイナンス機関への貸付をし、借り手の資金需要に応えます。当社のマイクロファイナンスファンドは大きく分けて3つの魅力があります。
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安定したリターン 年間目標利回りは円建て5.0% |
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100%の回収率の実績 当ファンド貸付先のマイクロファイナンス機関の貸倒れは創業以来過去0件 |
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分散投資によるリスク分散 複数機関へ貸付をし、リスク分散 |
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参考文献
Microfinance Barometer(2017)
カンボジア中郷銀行(2016)
カンボジア開発評議会(2018)
カンボジア中央銀行省令B7-107-109PK号 (2017)
アジア開発銀行(2018)
世界銀行(2013)